映画メモ

映画やゲームや小説の感想など 2016年6月~

The Conjuring 2(2016) 死霊館 エンフィールド事件

ざっと感想とメモ(ネタバレ込み)

  • 起承転結の転に相当すると思われる、一気にテンションが上がる場面は、この家の心霊現象を引き起こしている真のラスボスの正体が明かされるところ。
    それまでの話の流れでは、この家の元所有者であるビルという名の老人の霊が新しい住人を家から追い出すために嫌がらせをしていると思われていたが、実はこの老人の霊は、真の親玉によって囚われ使役されている被害者に他ならなかった。
    霊能者妻ロレインによれば、ビル老人の霊は単なるポーン(pawn:チェスの歩兵駒)にすぎないとのこと。(霊能者夫エドはファサード(facade)という表現を使っていた。真の正体を見えなくするためのファサードに過ぎない、と)
    この老人ビルの霊は、真の親玉にバレないように、密かに助けを求めていたのだった。録音テープに残された、ビル老人の意味不明な発言2つをそれぞれ同時再生して重ねてみると、"Help me! It won't let me go!" (助けてくれ!「それ」が私を離してくれないのだ!)というビル老人の悲痛な叫びが再生されるシーンにはゾッとした。
    ビル老人の霊は、「それ」による検閲の目をかいくぐるようにして、ウォーレン夫妻宛てにメッセージを送っていたのだった。(ビル老人は、もう一つ、なぞなぞめいたメッセージをロレインに対して伝える。このなぞなぞを解くことが、最終的に「それ」を打ち倒すためのカギになる。)
    「それ」=真の親玉の正体は、尼僧の姿をした悪魔的な存在("a demonic presence"という表現をロレインは使っていた)。
    ロレインによると、「それ」が尼僧の姿をしているのは、神を冒瀆する姿をあえてとることによって、霊能者ロレインの神に対する信仰心に揺さぶりをかけるためらしい。
  • ビル老人の霊が残したなぞなぞ:「私は与え、与えられる。私はお前が産声を上げた時にそこにいた。頼まれてもいないが、私はお前にずっとついて行く、お前が死ぬまで。」の答えは、「名前」。
    よく知られているように、悪魔の名前を明らかにすることで、それと対等に戦えるようになるというのは、キリスト教文化圏のエクソシズムにとっての基本らしいので、霊能者ロレインもそのやり方でラスボスと戦う。
  • 絵に描いたようなハッピーエンド作品なので、人に薦めやすい。
  • 1970年代後半、英国ミドルセックス州のエンフィールドで実際に起きた有名なポルターガイスト現象と、それを調査したことのある実在のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻にインスパイアされて書かれた、ある程度は事実に基づいたフィクションとのこと。
  • 尼僧の姿をした悪霊が不気味で強烈。案の定、グーグルの検索候補に、Conjuring 2 Marilyn Manson があった。マリリン・マンソンとシスの暗黒卿を足して二で割ったようだと書いてる人がいた。
  • 老人ビルの霊と、尼僧姿の悪霊の他に、もう1体、曲がった男(crooked man)も登場する。エドによれば、こいつも老人ビルの霊と同格で、親玉によって囚われ使役されているだけの存在らしい。幽霊というよりは西洋妖怪ぽい感じの見た目。
    マザーグースに出てくるcrooked manがどういうイメージでホラー映像化されているのかも見ものだと思うけど、一般的に想像される背中が曲がった男(せむし hunchback)ではなくて、手が鉤爪の男として描かれていた。「鉤爪男」。

ざっとストーリーあらすじ(適当)

霊能者エド&ロレイン・ウォーレン夫妻は、英国エンフィールドのとある民家で起こった一家惨殺事件(長男が両親・弟妹たちを銃で殺害)の霊視を行う。この長男は霊に憑依されて凶行に及んだらしいが詳しいことまでは分からなかった。

空き家となったこの民家に、新しい住人が引っ越してきた。シングルマザーの母と子供が4人(年長の姉妹2人、年下の兄弟2人)。一家は、ポルターガイスト現象や、老人の霊や曲がった男の霊の目撃など、様々な心霊現象に遭遇する。

特に妹のジャネットは、強度の霊媒体質な上に、自宅でウィジャボードこっくりさん)を行うほどのオカルト好きで、夢遊病の症状もあった。

一方その頃、霊視を行ったウォーレン夫妻もまた悪夢や幻視によって謎の存在を目撃していた。夫エドは不気味な尼僧の姿をした存在を目撃していたが、ある日、尼僧姿をした存在は、霊能者夫妻の自宅に出現し、妻ロレインに対してこれ以上関わるなと警告を与える。夫エドが殺されるヴィジョンを視ておびえる妻ロレイン。

エンフィールドの民家の心霊現象の噂は広まり、TV局も取材にやって来る。老人の霊が妹ジャネットに憑依し喋る様子もテレビカメラに収録された。

(中略)

霊能者夫妻が心霊現象の解決に乗り出す。老人の霊は「ここは俺の家だ。お前たちは出て行け」云々と言い張る。

(中略)

妹ジャネットが自ら家具を投げ、食器を折り曲げる様子がカメラに写っており、すべての心霊現象は妹ジャネットによる自作自演であると判断され、調査とエクソシズムは中止となる。霊能者夫妻も民家から撤収する。(妹ジャネットによれば、自作自演をやってエクソシズムを中止に追い込まなければ家族を殺すと悪霊から脅迫を受けていたため、仕方なく自作自演だと思わせる行動をやったらしい)

だが霊能者夫妻は録音テープに残された老人ビルの霊が語る言葉の隠されたメッセージに気が付き、心霊現象が妹ジャネットの自作自演ではないことを見抜く。そして、民家を支配しているのは老人ビルの霊ではなく、さらなる悪魔的存在こそが黒幕であると結論する。一家を救うため、民家へ急行する夫妻。

いろいろ奮闘の末、悪魔的存在は倒され、一家は救われてハッピーエンド。